青汁を飲むと便秘になると勘違いしている人もいます。
青汁は食物繊維が豊富に入った飲み物ですから、むしろ便秘とは逆に下痢の可能性もあるぐらいです。
便秘と下痢の解釈が間違っている人もいるので、そのあたりも説明しながら青汁との関係性を紹介していきます!
一般的に便の成分は、比率を見ると水分が8割近くを占めます。
残りの2割が食べて吸収されずに残った消化物です。
消化物は単純に食べたものだけでなく、腸内の細菌の残骸も一緒になっています。
この水分が少なくなってしまうと硬い便になってしまい、便秘が発生します。
つまり便秘がちな人は、水分を多く摂取したほうが良いというわけです。
逆に便の水分量が多いと下痢になります。
摂取した水分がすべて便になるわけではありません。
水分は腸で吸収され、血液や細胞などを生成するものに役立ちます。
人間の体は約6割が水分ですから、常に水分を補充することは必要不可欠です。
摂取したものがそのまま便として送られるわけではないので、便秘がちな人は1日で2リットル程度水を飲んで問題ありません。
2リットルのペットボトルを考えると、「そんなに飲めるわけがない」と思うかもしれませんが、1日の中で小分けで飲む量としては決して多いわけではないです。
尿だけでなく、汗としても排泄されていますので、体質改善を目的として水を定期的に摂取しましょう。
便秘になってしまう人の理由として、食物繊維の少なさも挙げられます。
食物繊維には2種類あって、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
水溶性食物繊維は食べ物が水に溶けて胃や腸へ送り込まれるもの、不溶性食物繊維は水には溶けず、むしろ水分を吸収して膨らむ性質を持っています。
イメージとしては、
・水溶性食物繊維・・・便が腸内を通る時に滑らかにするもの
・不溶性食物繊維・・・便のかさを増して便通に勢いをつけるもの
と考えれば、どちらも必要ということが分かるかと思います。
また、水溶性食物繊維はコレステロール値と食後の血糖値の上昇を抑制する作用があります。
その結果、血液循環がよくなって心肺機能が増幅します。
そうなると体全体の動きが活性化されるので、ぜん動作用が生まれやすいです。
ぜん動作用とは、腸が常に体操をしているようなイメージです。
その結果、便が腸の動きに合わせてどんどんと肛門に向かって動いてくれます。
食物繊維は単純に便の通りを良くするだけでなく、体全体の活性作用を与えてくれるのがメリットです。
日本人は比較的食物繊維が豊富な食材をよく利用して食事をとっていますが、それでも1日の目標量には満たしていないケースが多いです。
国民健康栄養調査の発表によると、特に20代から50代の食物繊維不足が指摘されています。
1日の目安が男性は20g以上、女性は18g以上とされています。
しかし実際の食物繊維摂取量は下記のようになっています。
ほとんどの世代で食物繊維が不足していますから普段の食事に気を使うか、あるいは健康補助食品(青汁など)を使って補うしかありません。
近年、便秘の要因として指摘されているのが、「捻れ腸」です。
これは腸の一部が捻れてしまって、消化物をうまく運搬できていない状況です。
例えばホースでも、捻れていると水の出が悪くなったりしますよね。
それと同様に腸も捻じれることがあり、その結果、便が詰まって滞留し、その間に便が硬くなってしまう状況が起こると指摘されています。
ただし手術が必要というほどの捻れではなく、便が捻じれ部分を通過した後に腸が正常な状態に戻って、その後滞りなく消化できるという人が多いそうです。
捻れる部位は人にもよりますが、便が排出間近である下降結腸やS状結腸で捻れが起こると、便秘になりやすいと指摘されています。
自分でできる対策としては、腰をひねるストレッチやラジオ体操などをこまめに実践すること。
また、食事前や食後30分後ぐらいに運動するのも効果的です。
ただ、激しい運動はかえって痛みを生じる原因になってしまうので無理のない程度の運動を心がけましょう。
捻れ腸はレントゲン検査でも分かるので、もし気になる方は一度、お医者さんに診てもらうのもよいですね。
上記紹介した便秘になってしまう3つの作用ですが、その内2つが青汁によって改善できる可能性があります。
まず水分について。
青汁は粉末状のものを水で溶かして飲用します。
1杯あたりだいたい250mlぐらいのものが多いです。
これを朝夕飲むだけでも500ml。
社会人の方などは仕事に追われて水分を補給しない時間帯も多かったりします。
その結果、1日で1リットルから1.5リットル程度しか水分を補給できないという人も多いでしょう。
朝夕青汁を飲めば、目標となる1日2リットルに近づくことができるので、これにより便秘解消の効果も期待できます。
特に社会人の方で体力を要する職業の場合、汗で大量の水分が失われています。
それを補う意味で朝晩に青汁を摂取するのは大変効果的です。
ちなみに後ほど詳しく説明しますが、ただ水分の摂取するよりも青汁のほうが食物繊維が豊富に含まれているため、より便通を良好な方向へ持っていくことができます。
食物繊維は普段皆さんが食べるようなご飯やパン、うどんなどにも含まれています。
しかし効率的で、尚且つ含有量が多いものは野菜です。
例えば、ご飯と大根を比較してみましょう。
ご飯に含まれる食物繊維は100g中0.6g。
一方、大根は100g中1.4gです。
同じ量食べても大根のほうがのたくさん食物繊維を摂れますし、それにご飯を100g食べるより、大根を100g食べる方が簡単です。
大根おろしにしたり、切干大根にしたり、サラダにしたりなど。
重量もなく、さらっと食べれちゃうので食物繊維を摂るにはご飯より簡単ということが分かります。
そして野菜の中でも食物繊維が豊富に含まれているのが、青汁に使われている原料です。青汁の原料で有名な3つの食材の食物繊維を見てみましょう。
(100gあたりの含有量)
ご覧のように大根を圧倒的に上回る食物繊維。
他にもトマトやピーマン、キャベツ、セロリ、白菜、ほうれん草、きゅうりなど日常的に食べている野菜を全て上回っています。
さすがに味を考えると明日葉や大麦若葉、ケールを生野菜として摂取するのは厳しいですが、飲料になっていれば、あっという間に飲めてしまいます。
普段の食事ではなかなか摂取できない食物繊維を確保するのに青汁は最適です。
青汁は豊富な食物繊維が含有されているが故に、下痢になってしまうリスクも指摘されています。
実際、青汁の説明書を見ると、
「ご利用に際し、お腹がゆるくなることがございます。」
「体質に合わない方は使用を中止してください。」
などと注意書きがしてあることがあります。
普段から食物繊維を豊富に摂っている人だと過剰摂取の可能性があるため、無理に青汁を飲む必要はないでしょう。
また過剰摂取を防ぐためには、どんな食べ物や食材と併用すると下痢の可能性があるのかを理解しておく必要があります。
具体的に注意したい食材や食べ物は下記です。
いずれも食物繊維を豊富に含んでいます。
ただ、あくまでも100g中の食物繊維の含有量が多いというだけで大量に摂取できる食材はほとんど無いかと思います。
しかし1日3食の中で上記食材を毎回食べるという方は、ちょっと食物繊維が多くなってしまう可能性もあるでしょう。
上記のような食材を好んで食べている方は、青汁を飲む量も注意しながら飲用してください。
「青汁を飲んでも全然お腹がゆるくならない、むしろ便秘があまり治らない」ということでしたら、乳酸菌入りの青汁を選んでみてはいかがでしょう。
食物繊維にプラス乳酸菌があると、さらに整腸作用が強くなります。
乳酸菌には、食物繊維と違った作用があります。
食物繊維は主に便に関する作用でしたが、乳酸菌は腸内に与える影響が大きいです。
乳酸菌を摂取することで悪玉菌を抑制します。
悪玉菌は腸の機能を低下させる悪いばい菌のようなもの。
腸の動きが低下し、便が停滞して便秘が起こります。
普段皆さんが食べている加工食品などには添加物や防腐剤などが含まれていることもあるので、それらが悪玉菌を増やしてしまう要因の一つにもなっています。
悪玉菌が増殖してしまうと、便秘どころかアンモニアや硫化水素などの有害物質を生み出し、最悪なケースでは大腸がんなどを発症してしまう恐れもあります。
それを改善するのに乳酸菌を定期的に摂取すると良いでしょう。
尚、乳酸菌が入った有名な青汁は下記のようなものがあります。
上記のような青汁を選んで飲用して、便秘解消を図ってみてはいかがでしょうか。
以上、青汁と便秘の関係性について紹介しました。
「青汁を飲めば便秘になりにくい」という解釈は、もちろん間違いではないのですが、普段の食生活も大きく関係していることを理解した上で飲用するようにしましょう。
食生活だけで改善が難しい場合は青汁の力を借りてみましょう。
毎日飲むことでちょっとずつ変化を感じられるはずです。
/公開日:2018年3月17日