青汁が肝臓にどんな影響を与えるのか気になる方もいるかと思います。
食べ物はまず体に入ると、肝臓で分解されます。
食べ物の成分にどんな特徴があるかで、肝臓へ良い影響を与えるのか、あるいは悪い影響を与えてしまうのかが決まってきます。
ここでは肝臓の働きと、青汁が肝臓にどんな影響を与えるのか詳しく見ていきます。
まず青汁と肝臓の関連性について述べる前に肝臓の働きが分かっていないと、青汁がどんな作用を与えるのか理解できないので、そのあたり詳しく見ていきます。
人間は物を食べた時、その消化を助ける消化液を分泌します。
それが肝臓で作られる胆汁です。
食べたものだけがスルスルと胃や腸に送られていくわけではありません。
胆汁と絡まることで滑りが良くなって消化、吸収、排出されていきます。
胆汁は総胆管を伝って、十二指腸へと送られていきます。
さまざまな臓器を通り、長い道のりを進んでいきます。
まるで流しそうめんの麺を送り込む水のようです。
因みに胆汁に絡まった消化物が黄色いのは、肝細胞で作られたビリルビンと呼ばれるものの色素が黄色いためです。
正常な肝臓だと胆汁が正しく分泌されるのですが、肝臓が悪いと胆汁が固まって胆石になります。
よく聞く「肝内結石」も、もともと胆汁だったものが固体化したものです。
特に脂質の多い食材ばかり摂っていると胆石ができやすくなります。
肝臓が持つ2つ目の働きは、栄養素を吸収することです。
食べたものは胃や腸で吸収されるイメージですが、体に取り入れる為の成分を肝臓で変換させています。
有名なのは、ブドウ糖をグリコーゲンに変えるという働き。
グリコーゲンは詳しく説明しちゃうと分かりにくいので、簡単に言うと「人間に必要なエネルギーの予備」と考えてください。
人間は各機能を活性化させるためにエネルギーを使って活動しています。
エネルギーは段々となくなっていくものですから、補充しなければいけません。
その時に役立つのがグリコーゲンです。
人間に必要な栄養素を食材から吸い取って、準備しておく役目が肝臓にはあります。
人間にとって必ずしも身体に良いものだけが体内に入ってくるとは限りません。
時には有害物質やアレルギー成分も入ってくるわけです。
そんな場面で肝臓が警察官役となって、「ちょっと調べさせてもらいますよー」と成分に対して職務質問してきます。
例えば、お酒のアルコールやタバコのニコチン。
こういったものは本来人間の栄養素として必要なものではありませんから、そのまま吸収すると中枢神経や各臓器などに悪影響をもたらします。
それを阻止するために、肝臓が立ちはだかります。
異常を確認したら毒素を中和させ、身体に悪影響の無い状態になってから身体を奥深くへと通します。
毒素の中和について付け加えると、アンモニアの代謝も肝臓の役割です。
アンモニアは肝臓のタンパク質代謝機能を使って尿に変換されます。
よく尿検査で引っかかる人は肝硬変や肝機能障害などが疑われます。
それはアンモニアと肝臓は関連しているからです。
また、血液中のアンモニア含有量が増えると、脳への障害をもたらし、さらに危険性が高まります。
肝臓には「ナチュラルキラー細胞」と呼ばれるものがあります。
この細胞は略して「NK細胞」とも呼ばれ、ウイルス感染細胞を認識する役割を担っています。
異物が入ってきたらすぐに認識して危険信号サインを出します。
例えば咳を出したり、胸が苦しくなったり、頭痛を催すというのも、このNK細胞が感知したからです。
NK細胞は一般的なウイルスだけでなく、がん細胞が出現したときにも感知できるほど繊細なセンサーです。
毒素の中和とは別に、肝臓が「この成分やばいかも・・・」と脳へ知らせる機能も持っています。
上記紹介したように肝臓はいろいろな役割を担っていて、1人5、6役と活躍しています。
しかし、それでは肝臓が疲弊してしまいますから、肝機能に障害があったときは致命的な病気になりやすいです。
それを防ぐ意味で、サポート役を体に摂り入れると肝機能の状態も良くなります。
そのサポート役としてまず挙げられるのが亜鉛です。
肝臓はアルコールを分解し、毒素を体外へ排出しますが、そのアルコールの分解に亜鉛も役立ってくれます。
逆に言うと亜鉛がないとアルコールの分解が追いつかず、血中アルコール濃度などのリスクが高まります。
亜鉛が不足しがちな人がお酒をたくさん飲んでしまうと、酔いが回りやすかったり、気持ち悪くなってしまうことが考えられます。
肝臓のサポートをするには亜鉛も定期的に摂取した方が良いです。
青汁で言うと、大麦若葉に多くの亜鉛が含まれています。
肝臓の役割をサポートしてくれるものとして、もう一つ挙げておきたいのがタウリンとオルニチンです。
ともに肝機能の働きをサポートしてくれる役割があり、アルコール分解のほかに、血中コレステロールの低下、中性脂肪の排出に役立ちます。
これらは各機能に酸素を運ぶ鉄分のサポート役もできます。
その結果、各機能の代謝や免疫作用が向上し、生活習慣病の改善などに効果が期待できます。
つまりタウリンやオルニチンは「各機能のメンテナンスができる成分」と考えておくと良いですね。
タウリンやオルニチンが入ったもので有名な食材といえばシジミ。
よくCMでも、シジミを食べれば肝臓が休まるのでおすすめですなどと宣伝してますよね。
肝臓をサポートするのに役立つ成分です。
肝機能の難敵となっているものといえば、脂質です。
特に固形タイプの脂質は難敵です。
具体的にはバターやクリーム、マヨネーズ、豚の脂身などが挙げられます。
肝臓はこれらの脂質を分解するのが苦手なので、こういった食材を多く摂取してしまうと「脂肪肝」などが発症してしまうこともあります。
脂肪肝は肝臓に脂肪がたまってしまった状態。
また肝機能の性能が落ちてしまうと、アルコールの代謝もうまく進みませんので、肝硬変などの病気が今後出てしまう可能性も高まります。
とにかく脂っこいものは肝臓にとってよくないので控えましょう。
そしてもう一つ肝臓の仕事を増やしてしまうのが糖質です。
糖質は脂質のように分解が急激に遅くなるわけではないですが、日本人は普段からお米やパン、麺類など糖質が多く含まれている食材を好むので、どうしても肝臓の仕事が増えてしまいます。
その結果、分解が間に合わず糖尿病などの発症リスクが増えてしまいます。
単純に甘いものの取りすぎに注意をするだけでなく、1日のカロリーも計算して摂取しないと、糖質の摂りすぎになってしまうことがあります。
肝臓に負担をかけないためには、糖質コントロールも重要です。
青汁は体に良い飲み物ですが、肝機能障害が懸念される場合は逆にやめた方が良いです。
まずは下記をご覧ください。
【青汁(ケール)により肝障害を呈した1例】
「2007年12月頃から秋ウコン、青汁(ケール)を服用していたことが判明した。健康診断時には肝胆道系酵素は基準値内であり、1月には肝機能異常がみられたことより秋ウコン、青汁による肝障害が強く疑われ、これらの服用を中止させた。」
中略
「(薬剤リンパ球刺激試験)を行い、青汁で陽性反応を認めた。以上より、青汁による薬物性肝障害と診断した。」
引用元:第57回日本農村医学会学術総会
なにやら難しいことが書いてありますが、「青汁によって肝機能障害を発症してしまった」という事例です。
この方はケールを使用した青汁を飲んでいたとのこと。
もちろん青汁だけが全ての原因とは限りませんが、肝機能に対し悪い作用が働いたという事実がある以上、控えた方が良いケースもあることを心に留めておきましょう。
どうしても心配ならケール以外が入った青汁を選びましょう。
青汁に含まれている成分は、もともと健康な人の肝臓に負担をかけるようなものはないです。
ただ一つだけ意識しておきたいのは、カリウムです。
正常な機能を果たせているときの肝臓であればカリウムをとっても問題ないのですが、肝機能が低下しているときにたくさん摂ってしまうと、「高カリウム血症」と呼ばれる症状を起こしてしまう可能性があります。
カリウムが多いとされるバナナ、オレンジ、りんごなどのフルーツ系の青汁は、肝臓の機能が低下している時には控えた方が良いでしょう。
上記紹介したように、カリウム以外は特に懸念されるものはありません。
脂質や糖質もほとんど含まれていません。
脂質や糖質はゼロの青汁もあるぐらいです。
また、ちょっとでも肝臓への負担を減らしたいということでしたら、牛乳ではなく水で飲むようにしましょう。
牛乳は脂質が100mlあたり4gから5g程度入っています。
そこまで気にする脂質の量ではありませんが、水で飲めば脂質もゼロなので肝臓への負担もゼロです。
大麦若葉の青汁にはSOD酵素が含まれています。このSOD酵素というのは、活性酸素を分解する働きがあります。
活性酸素とは、体内のミトコンドリアが働いている時に作ってしまうもので、老化や疾患を引き起こす原因のひとつとされています。
活性酸素を分解するSOD酵素を摂取することで肝機能が良い方向で働きます。
酵素は熱に弱いので、大麦若葉に酵素が含まれていても製造方法によって酵素が不活性化となってしまいます。
独自製法で酵素をしっかりと摂れる青汁は、リッチグリーン。
添加物も一切使っておらず、無農薬で野菜不足や酵素を効率よく摂りたい方におすすめの青汁です。
以上、青汁と肝臓への影響について紹介しました。
「青汁」と打ち込んで、「肝臓」が関連キーワードとして増えてきたのは、上記症例が過去にあったことが起因しているかもしれません。
ただ、ケールがきっかけで肝機能障害になったという事例はほとんどないため、本当に青汁が理由で肝機能障害になったかは定かではありません。
ケール以外にも健康補助食品として有名なウコンやアグリクス、プロポリスなどをきっかけに肝機能障害が出た事例はあるので、どんな成分でもそういった症状は稀なケースとしてあるのかもしれません。
もし本当に危ない成分ということであれば沢山の症例が出てくるでしょうし、この一つの例だけをとって、「青汁は危ない」と解釈するのは違うような気がします。
青汁本来の良さであるビタミンやミネラルが豊富ということには変わりありませんから、健康体の人ではほとんど気にするレベルではないと言えそうです。
/公開日:2018年3月17日