「青汁が体に良い」というのは聞いたことがある方が多いと思います。
ただ具体的に何が良いのか?と聞かれると、答えられない方が多いでしょう。
ここでは青汁に使われている原料を調べたデータや検証結果などを詳しく紹介していきます。
信憑性のあるデータであれば、噂や口コミに左右されず、本当の効果が理解できるはずです。
ぜひチェックしてみてください!
青汁の主成分として真っ先に挙げられるのが、大麦若葉。
市販されている青汁の中で7割がたは大麦若葉が配合されているのではないでしょうか。
そこでまず、大麦若葉の効果について検証しました。
平成27年に内閣総理大臣からの指示を受け、食品安全委員会が大麦若葉粉末に関わる「食品健康影響評価」というものを行っています。
そこでは大麦若葉粉末の青汁(6g)を毎日摂取した場合、体にどのような変化が起こるか、という検証が行われています。
対象は1週間の排便が3回から5回程度の成人男女健常者32名。
摂取してから4週間経っても、体重とBMIの変化は見られませんでした。
しかし継続摂取することで、いくつかの変化が見られましたので、まとめておきます。
・8週間後に体脂肪率の有意な減少が現れた
・収縮期血圧および拡張期血圧は4週間から12週間の間で数値の減少が現れた人もいた
このように体脂肪率や血圧の低下が記録されいます。
また、血液検査や尿検査で問題は見られませんでした。
体脂肪率の減少によってコレステロールの減少も期待できますので、ダイエットを望んでいる人や、糖尿病の人には有効な作用を発揮することが分かります。
検証では過剰摂取した場合にどんな体の変化が起こるか、ということも試験されています。
上記検証と同様に健常者に対し、1日18gの青汁粉末を摂取。
すると下記のような体の変化が現れています。
・4週間後に体重およびBMIの有意な減少が認められた
粉末青汁の飲む量を増やすと、それだけ体重やBMIにも早いタイミングでの変化が見られることが明らかになっています。
ただ一方で懸念される変化も起こっています。
・基準値内ではあるが、血液検査にて変動が散見された
・便秘が8例で報告された
・軟便が6例報告された
・腹部膨張感が4例報告された
・下痢、腹痛が2例報告された
いずれも有害事象(病気など)ではありませんが、デメリットとなる部分も報告されています。
たくさん飲めば体重などに変化が現れるものの、お腹を下す確率が高くなることが研究結果からも分かります。
検証から考えると、やはり1日の目安は少なくとも6g以内に抑えるべきでしょう。
青汁の説明書にも、「1日1杯、又は2杯程度にとどめましょう」という記載があるはずです
やはり効果を早く求めたいと考えても、飲みすぎることは決してお勧めできません。
ヤクルトhealth foods株式会社が大麦若葉を搾汁した食品と便通の関係性を検証しています。
試験では、
1、全く青汁を摂取しない被験者
2、大麦若葉エキスと水溶性食物繊維(難消化デキストリン)を配合した青汁を摂取する被験者
3、大麦若葉エキスとデキストリンを配合した青汁を摂取する被験者
の3パターンで調査が行われています。
その結果、1週間での便通は下記のようになっています。
1、全く青汁を摂取しない被験者:7.03回
2、大麦若葉エキスと水溶性食物繊維(難消化デキストリン)を配合した青汁を摂取する被験者:7.48回
3、大麦若葉エキスとデキストリンを配合した青汁を摂取する被験者:7.63回
取り立てて便通が増えるわけではありませんが、大麦若葉を含んだ青汁を飲んだほうが便通回数が多いということが明らかになっています。
また便の形状についても報告があり、青汁を飲んでいない人で「便はカチカチ」と回答した人は19%、しかし青汁を飲んだ2の被験者は13%、3の被験者14%と低い数値になっています。
青汁を継続的に飲むことで、軟便になりやすいということも言えます。
大麦若葉にはビタミンC、ビタミンK、カルシウム、マグネシウム、食物繊維が豊富に含まれ、それらの栄養補給としては優れた飲み物と報告されています。
ただ注意点が2つあります。
まず1つは大麦若葉に含まれるビタミンCや不飽和脂肪酸は光や酸素の影響を受けやすいこと。
そのため開封後放置していると酸化し、雑菌やカビが繁殖する可能性も出てきます。
特に開封後、封を開けたままにすると湿気を吸い込んでしまうため、賞味期限に記載された日にち前に劣化する可能性が考えられます。
開封後は速やかに飲用するように心がけましょう。
そしてもう1つはビタミンKが豊富に含まれているが故に、アルファリンを服用している人に副作用が懸念されること。
ビタミンKは血液を凝固する性質があるので、アルファリンのような抗凝血剤を使用している人が飲んでしまうと、効果が薄れてしまう可能性があります。
上記2つが注意喚起されていますので、飲用する際は注意しましょう。
続いてケールについても詳しくみていきましょう。
ケールも大麦若葉と並んで、青汁の主要成分として使用される野菜。
株式会社ファンケル総合研究所がケールを長期間摂取すると、体にどのような影響を与えるのか、という調査を行っています。
検証方法はケール入り青汁を1日1杯以上を、1年間継続摂取した場合の変化。
検証では下記のような変化が起こっています。
その他自覚症状として、下記のような項目で「有意に低い」という結果が出ています。
・食欲不振
・動悸
・息切れ
・口が乾く
・胃が張る
・度忘れする
・眠りが浅い
こういった検証結果から総じて言えるのは、ケールには老化予防効果やアンチエイジング効果が見込めるということです。
ケールは他の野菜に比べてビタミン類やカルシウムなどのミネラル分が豊富に含まれています。
また、抗酸化作用もあるので老化防止に役立つ効果が得られるのでしょう。
そして体質改善として下記のような報告もあります。
・アレルギー症状の緩和
・アトピー性皮膚炎の緩和
・アルコール代謝の改善
これらは自覚症状として報告されたものなので、具体的な数値の変化はありませんが、多岐にわたり体質改善の報告があります。
ケールを摂取すること期待できるのが基礎代謝量のアップ。
筋年齢因子の調査では、「ケールを継続的に摂取することで基礎代謝量が有意に高くなり、BMIや体脂肪率が有意に減った」という報告がされています。
この調査は、50歳から69歳の女性に対し、行われた結果。
なかなか年齢が上がると基礎代謝量が減って体重が落ちにくくなります。
それにも関わらず基礎代謝量が有意に高くなったということですから、若い人であれば更に痩せやすい体質になる可能性を秘めています。
普段からあまり運動をしない人、デスクワークが多い人というのはどうしても消費カロリーが少ないので体重も落ちません。
しかし、ケールを毎日飲むことで基礎代謝量がアップすれば、それだけでも体重が維持、あるいは減らせる可能性が出てきます。
ケールを毎日飲むことで血圧や血糖値、脂質代謝に大きな変化をもたらすことが検証で明らかになっています。
調査は、九州大学大学院講師とキューサイが合同に行いました。
検証は30歳から74歳までの男女で、ケール入りの青汁を1日2袋摂取した時の変化を追った記録です。
その結果で下記ののような変化が出ています。
収縮期血圧(最高血圧)
開始時:133.0
8週間後:129.2
拡張期血圧(最低血圧)
開始時:86.1
8週間後:82.5
空腹時血糖値
開始時:96.9
8週間後:95.1
中性脂肪
開始時:117.8
8週間後:113.3
LDLコレステロール
開始時:115.0
8週間後:109.6
BMI
開始時:23.22
8週間後:23.15
腹囲
開始時:85.48
8週間後:84.71
LDLコレステロールとは悪玉コレステロールのことです。
その数値も減少しています。
全体的に微小な変化結果ではありますが、改善の兆候が見れるものばかりです。
8週間で血糖値や血圧、脂質代謝効果が得られているので、続けていけばさらなる改善も見込めるのではないでしょうか。
以上、青汁の効果や体に与える作用について紹介しました。
具体的な数値が出ていたり、被験者の変化が分かると信憑性があるのではないでしょうか。
検証の中では飲み過ぎた場合の変化もあり、いっぱい飲みたくなる人にはとても参考になる情報ですね。
飲みすぎてしまうと、食物繊維が過多になってお腹がユルくなる可能性が高まるのでやめておきましょう。
大事なことは継続すること。
継続することで緩やかではありますが、だんだんと体質改善が見られます。
/公開日:2018年4月28日
・神経年齢で実年齢-4.8歳
・筋年齢で実年齢-9.7歳
・HDLコレステロールが対照群と比較して有意に高い
・中性脂肪が有意に低い
・空腹時血糖が有意に低い
・HbA1cが有意に低い
・インスリンが有意に低い
・HOMA-Rが有意に低い
・ホモシスティンが有意に低い