「青汁は体に良い健康食品」というイメージを、多くの方が持っていると思います。
確かに野菜や果物を主成分とした飲み物ですから、体に悪いということはないでしょう。
ただ、青汁の材料の中にはアレルギー症状を引き起こしてしまう成分が入っているケースもあるので、万人にとって安全な飲み物というわけではありません。
そこで、青汁の材料について詳しく検証していきます。
現在日本では、食物アレルギーを引き起こすことが明らかになっている食材27品目が指定されています。
その中で、下記7つは特にアレルギー症状が出やすく、どんな食品にも配合されていると記載が義務づけられています。
・えび
・かに
・小麦
・そば
・卵
・乳
・落花生
幸い上記7つは青汁の材料として使用されているケースはおそらくないはずです。
ただ、その他20品目には青汁で使用されている材料もいくつか挙げられています。
・あわび
・いか
・いくら
・オレンジ
・カシューナッツ
・キウイフルーツ
・牛肉
・くるみ
・ごま
・さけ
・さば
・大豆
・鶏肉
・バナナ
・豚肉
・まつたけ
・もも
・やまいも
・りんご
・ゼラチン
この中で実際に青汁に使用されている材料はオレンジ、キウイフルーツ、大豆、バナナ、りんごなどでしょう。
ごく稀に山芋などが配合されている青汁もあります。(例:飲みごたえ野菜青汁)
青汁の粉末は成分表を見ない限り、何が入っているのか分からないと思います。
いつの間にかアレルギー症状を引き起こす成分を飲んでしまっているなんて事もありえますので、購入の際は自分のアレルギー対象となる材料が入っている青汁は控えましょう。
健康診断などでアレルギー症状が出る成分がすでに分かっていれば良いのですが、特にそういった検査をしていないという方もいるでしょう。
もし、青汁を飲んで下記のような症状が出たら、アレルギーに該当しているかもしれません。
・蕁麻疹が出る
・かゆみが出る
・皮膚が赤くなる
・唇や舌などが腫れる
・まぶたが腫れる
・呼吸が苦しくなる
・咳が出る
・息切れが起こる
・呼吸音がヒューヒューのなる
・気持ちが悪くなるか
・血圧が低下する
・失禁する
青汁を飲むことで、皮膚への影響や呼吸器への影響が顕著になったら、それはアレルギー症状のサインです。
直ちに飲用をやめないと、血圧低下が起こって倒れてしまったりすることもあります。
中にはショック症状で、意識を失うといった例も報告されています。
原因を追求することを先決しましょう。
もし青汁がきっかけでアレルギー症状に似たようなものが出たら、すぐに病院に行きましょう。
皮膚の炎症が現れたら、抗ヒスタミン薬を塗布、または服用します。
呼吸が苦しくなったら気管支拡張薬などをもらって気道を確保し、呼吸を楽にします。
こういったものは市販薬では販売されていないので、必ず医師の診断を受けることが必要です。
もし症状が重いと判断されれば、経口副腎皮質ステロイド薬などが処方されることもあります。
病院で診察を受ける際、青汁の成分表が記載されたものは医師に見せれば、どの成分がアレルギー症状を引き起こした可能性があるのかなど、調べてもらえることもあります。
もし症状がすぐに治まらない場合はアナフィラキシー補助治療剤を注射として打ってくれて早急な対策も可能です。
また、今後同じ症状が出ないようにアレルギー検査を受けることをお勧めします。
アレルギー症状を引き起こしてしまうものは、やはり材料にフルーツが入っている青汁が多いです。
最近は飲みやすさを重視し、大麦若葉や明日葉、ケールなどにプラスして、果物をいくつか配合しているものが目立ちます。
果物が入った青汁をいくつか紹介しましょう。
フルーツが入った青汁
・スイーツ青汁(オーガニックレーベル)
・フレッシュフルーツ青汁(ビューティーマニア)
・すっきりフルーツ青汁(ファビウス)
・めっちゃたっぷりフルーツ青汁(シエル)
・めっちゃぜいたくフルーツ青汁(クラヴィス)
こういった青汁は野菜のみの青汁に比べて、アレルギー症状が出るかもしれないので注意が必要です。
青汁はいきなり本品を購入しなくても、1000円以下でお試しセットとして販売されているものもあります。
それを飲んで、自分にとって体に合うものなのか(アレルギーが出ないのか)を確かめてから、継続するか判断しても良いですね。
青汁の材料の中で、アレルギー以外にもう一つ気になる要素があります。
それは薬の効果が弱くなったり、副作用が現れること。
すでに薬を常用している方や、何か病気で薬を飲み始めた方は青汁は控えた方が良いです。
青汁には多くのビタミンやミネラルが含有されていて、それが医薬品の成分と合わさることで、薬効の減弱が報告されています。
実際に青汁に含まれている成分で、どんなものが影響が出るのか紹介しましょう。
【ビタミンB6】
影響が懸念される医薬品成分:フェニトイン
【ビタミンK】
影響が懸念される医薬品成分:ワルファリン
【ビタミンD】
影響が懸念される医薬品:ジギタリス製剤
【ビタミンC】
影響が懸念される医薬品:アセタゾラミド
【カルシウム】
影響が懸念される医薬品:活性型ビタミンD3製剤、ジギタリス製剤、ビスホスホネート系製剤、テトラサイクリン系抗菌剤、ニューキノロン系抗菌薬
【マグネシウム】
影響が懸念される医薬品:テトラサイクリン系抗菌剤、ニューキノロン系抗菌薬、ビスホスホネート系製剤
【鉄分】
影響が懸念される医薬品:タンニン酸アルブミン、ビスホスホネート系製剤、メチルドパ、テトラサイクリン系抗菌剤、ニューキノロン系抗菌薬
基本的には薬の効果が弱まるものばかりですが、中には薬の効果が更に強くなってしまうものもあるので要注意です。(ジギタリス製剤)
上記のような薬を日頃から使っている方は、青汁は控えた方が良いでしょう。
青汁は薬との併用はやめた方が良いですし、青汁同士で複数のものを同時に摂取するのもお勧めできません。
健康食品と言えど、薬と同様に過剰摂取になれば、有害作用が出る可能性もあるからです。
例えば、ビタミンE。
1日の目安量を摂取していけば体に良いとされる成分ですが、過剰に摂取しすぎてしまうと、「出血性脳卒中の発症率が高まる」というデータもあるくらいです。
ビタミンEも青汁に多く含有しているので、そういったことを考慮すると、普段の食生活と青汁を1杯飲むだけでも十分なぐらいです。
また青汁に多く含有されている水溶性ビタミンは、そもそもたくさん摂っても、全てを体が吸収するわけではありません。
不必要なものや余分なものは、尿として排出されるようになっています。
たくさん飲んだり、複数の青汁を併用しても、より健康になるわけではないので注意しましょう。
青汁のいくつかの商品でも、「天然由来の材料を使用」などとアピールしているものがあります。
別にそれ自体は悪いことではないのですが、「材料が天然=良質なもの」とは限りません。
アレルギー症状を引き起こすものもありますし、天然由来のものだと不純物などが入っている可能性もありえます。
天然か人工かというのは、安全性や食材の効果を左右するものではないので、言葉に惑わされないようにしましょう。
青汁を選ぶときはどんな成分が入っていて、どれぐらいの含有量なのかを調べることが大切です。
またその素材がどのような工程を経て、配合されたかによって栄養素の数値も変わってきます。
青汁の成分について、安心感を得て飲みたいなら特定保健用食品(通称トクホ)の評価がされている青汁がおすすめです。
トクホの青汁は、実際にその青汁の材料を国が検証した証となるものです。
認められた青汁は、機能表示も可能になっています。
独自で研究して発表している有効成分などはイマイチ信憑性がありませんが、国が許可したトクホの青汁であれば信頼性も高まります。
具体的には下記のような青汁がトクホ認定の青汁となっています。
・大正製薬:大麦若葉青汁 キトサン
・アサヒ緑健:トクホの青汁キトサンイン
大正製薬のヘルスマネージド麦若葉青汁キトサンは果物も入っていませんし、アレルギー症状を引き起こすものも皆無。
安心して飲むことができるでしょう。
こちらの商品はコレステロールのコントロールを意識した青汁になっています。
材料として配合されている不溶性食物繊維であるキトサンが、コレステロールを低下させる作用があります。
飲用してから4週間経つと、「悪玉コレステロールが減少した」という研究結果もあるので、ダイエット目的の方やちょっと中性脂肪が気になるという方にも良いですね。
なお、悪玉コレステロールが減るのは青汁を飲み続けている間のみで、半永久的にコレステロールが低下するわけではありません。
摂取を辞めると、再び悪玉コレステロールが上昇するという研究結果も出ています。
できれは1日1杯でも良いので、続けて飲むことをお勧めします。
以上、青汁の材料について紹介しました。
要約すると、
・青汁の材料にはアレルギーの可能性がある
・青汁の材料が薬の効能について影響を与えることがある
という上記2点です。
また、大きな支障が出るというほどではないですが、食物繊維が多いので、お腹がゆるくなるっことがあるという報告もあります。
使用用途を守り、1日の目安量を守らないと、体の不調をきたすこともあるので注意してください。
基本的には、どの方が飲んでも食生活改善に役立つ優れたものです。
無理のない飲用を心がけましょう。
/公開日:2018年6月6日